この度、三菱化学株式会社(東京都港区、社長:冨澤龍一)および三菱商事株式会社(東京都千代田区、社長:小島順彦)は、フラーレン製造販売会社であるフロンティアカーボン株式会社(東京都中央区、社長:奥山克己)への増資を決定致しました。増資額は両社併せて7.5億円で、これを含むフロンティアカーボンの資本金は60.5億円となります。
フロンティアカーボンは、三菱商事グループが持つ知的財産、販売力と三菱化学グループが持つ合成・精製分離の技術をベースに、従来の方法では困難とされてきたフラーレンのトンレベルの生産を実現し国内外の企業をはじめ、各大学や研究機関に向けて各種フラーレン類を提供しています。
当該資金をもとに、フロンティアカーボンは独自開発および各大学や研究機関との共同開発を積極的に推進し、得られた技術データや知見をもとに産業用途向けフラーレン類の開発を強化致します。これまでの約500社へサンプルを提供してきた実績の中から絞り込み、本年より(1)炭素繊維複合材料関連、(2)潤滑関連、(3)半導体関連、(4)有機デバイス関連を重点分野と定めました。フロンティアカーボンは前述4分野に向けたソリューション提案や新規フラーレン誘導体提供に必要な開発を加速し、早期事業化を目指します。
具体的には、炭素繊維複合材料および潤滑関連については、独自開発と他研究機関との連携により、フラーレンの特性を引き出すアプリケーションを見いだし、1-2年以内の事業化を目指します。また、半導体および有機デバイス関連は多くの企業で実用化に向けた開発が進められています。その半導体および有機デバイス関連に適したフラーレン類の開発を推進し、5年以内の事業化を目指します。
また、フロンティアカーボンではプロセス特許のみならず前述4分野に関連した用途特許や新規フラーレン誘導体の特許の取得を強化し、引き続き競争力を維持してまいります。